名古屋大学大学院工学研究科 竹家 啓
名古屋大学大学院工学研究科、理化学研究所 川瀬 晃道
1.はじめに
これまで利用が困難であったテラヘルツ波を用いた研究開発が、近年著しく進展している。テラヘルツ波は光と電波の間に存在し、両方の特徴を兼ね備えている電磁波である。かつてはこのテラヘルツ波を用いた研究は分析科学や電波天文学の領域において限定的に用いられてきたが、近年のレーザー技術や半導体技術の進歩に伴って、テラヘルツ波の様々な発生方法、検出方法の開発が広く行われている1 〜3)。図1 に示すように、テラヘルツ波に関連する論文が出版される数は年ごとに増えており、関連する研究分野の広がりを表している。
多様なテラヘルツ技術が開発されることにより、様々な産業分野においての新たなテラヘルツ波の応用利用が検討されている。本稿ではその応用技術の一つである、テラヘルツ波パルスを用いたトモグラフィー技術について紹介する。
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