ミニマルファブが描く新たな半導体ビジネス

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半導体製造分野に新たな息吹を吹き込むものとして、ミニマルファブに関心が集まっている。0.5 インチサイズのシリコンウェハを用い、超小型の半導体製造装置で少量多品種のデバイスを生産するのが目的で、大量生産によってコスト競争力を高める現行の大規模半導体製造工場(メガファブ)と対極を行く。

このミニマルファブの構想を提唱したのは産業技術総合研究所・ナノエレクトロニクス研究部門・ミニマルシステムグ ループ長の原史朗氏だ。「この構想は私が学部生の頃からショットキーダイオードの特性のばらつき問題と、その原因を解 明するために局所クリーン化の基礎研究を続けていたところから生まれたもの」という。

これを実現させるため、2008 年に「ファブシステム研究会」を立ち上げ、参集した半導体製造メーカや大学などの有識者によって半導体製造システムが抱える問題を抽出し、検討を行なった。本格的にミニマルファブの研究・開発が開始されたのは2010年からで、設立した「産総研コンソーシアム・ファブシステム研究会」のもとで進められている。

2011 年に前工程の要となるリソグラフィプロセス装置を開発。2012 年から国家プロジェクトに採択され、「ミニマルファブ研究技術組合」が発足し、この年に開催された「セミコン・ジャパン2012」では開発した装置のプロタイプを初披露し た。2013 年には同展示会場でミニマル装置を使って実際にMOSFET の試作に成功した。2014 年度は25 億円(前年7 億円)の事業費が予定されており、その開発を加速させていくとしている。

原氏は「ミニマルファブを具現化するには当初から10 年を要するとの見通しを示していた。最初の3 年間でコアとなる装置を開発し、次の3 年間でLED や光デバイス、ディスクリートデバイス、パワーデバイスなどのプロセス技術を、最終期にLSI の量産プロセス技術の開発を手掛ける計画だ」(図1)としている。



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図1 ミニマルファブ開発ロードマップ
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年 代

技 術

1970年代

日米欧で研究開発が始まる。

1980

日本から光造形法の特許出願。

1986

米国で光造形法の特許成立。

1987

世界初の3Dプリンタ発売。

1988

米国で熱溶融積層法の特許成立。

2005

英国でRepRapプロジェクト発足。

2008

熱溶解積層法の特許が失効し、主にパーソナル用途にさまざまなメーカが参入。

2012

米国で3Dプリンタの研究機構(NAMII)設立。

2013

オバマ大統領が3Dプリンタによる米国の製造業回帰を一般教書演説。

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方 式

特 徴

光造形法

光硬化性樹脂を用い、レーザ光を集光して2次元走査し、樹脂を一層ずつ固化させる。大型の試作品の製造も可能。

熱溶解積層法

熱で溶かした樹脂を型に押し付けて成型する。熱可塑性樹脂を用いることができる。

粉末焼結法

高出力レーザ光を集光し、樹脂や金属などの粉末を部分的に固化させる。

粉末接着法

主に石膏粉からなる粉末をノズルから噴出する接着剤によって部分的に固化する。

面露光法

光造形法の一種である。一層のデータをプロジェクタによって一括照射して固化させる。

インクジェット法

光造形法の一種である。インクジェットノズルによって樹脂を塗布し、露光して固化させる。

 

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